その興奮こそが犬のマウンティングの本当の原因かもしれない
おもちゃや他の犬にマウンティングする愛犬を見て優位性や性的な行動だと考えがちですが、実際には去勢・避妊の有無に関わらず興奮やストレスの発散であることがほとんどです。『転位行動』という考え方も交え、本当の原因と実際の対応法を詳しくまとめました。

おもちゃやクッション、公園で会った他の犬にマウンティングする愛犬を見て、『優位性を示しているんだ』か、もしくは気まずい話として片付けたくなることがある。しかしどちらの説明も、実際に起きていることの大半を見逃している。
誤解:優位性か性的な行動かという二択
飼い主はつい二つの説明のどちらかに落ち着きがちだ——優位性を示す行動か、純粋に性的な行動か。去勢・避妊済みの犬がすると余計に混乱する。しかしどちらの説明も実際の大半のケースを説明できていない——マウンティングは主に興奮やストレスを発散する行動であり、序列や性がその中心ではない。

実際になぜ起きるのか:興奮と不安の発散口
犬の行動の多くを序列で説明していた『優位性理論』は、現代の獣医行動学者によって大幅に見直されている——見知った犬同士のマウンティングが序列争いを反映することはまれだ。それでも従来はマウンティングを『自分のほうが上だと示す行動』と説明する情報が多く見られた。
マウンティングは興奮しすぎているとき、遊びの中で気持ちが高ぶったとき、不安なとき、刺激を受けすぎたときによく現れ、大きな感情をどう処理していいかわからない犬の発散口として機能する。行動学ではこれを、葛藤状態で本来の行動とは無関係な行動に置き換わる『転位行動』の一種として捉えることもある——気持ちのやり場がなくなったときに、無関係な行動が代わりに出てくる現象だ。
去勢・避妊済みの犬も未去勢・未避妊の犬と同じくらいの頻度でマウンティングをする——これ自体が、日常のほとんどの場面でこの行動が性的なものを中心としていないという強い証拠だ。メス犬も普通にマウンティングをする点も同様だ。
実際の対策:興奮のサインとして扱う
- 叱るのではなく落ち着いて中断し、『おすわり』や『まて』など知っているコマンドに関心を向け直す——マウンティングは通常、反抗ではなく興奮のサインだ。
- どんな状況で繰り返されるか(特定の来客、特定の遊びの場面、特定の他の犬)というパターンを把握し、その興奮の高まり自体を減らす。
- 散歩や公園で他の犬に繰り返しマウンティングする場合は、相手の飼い主との関係やマナーの面も考えて、リードで早めに介入する習慣をつける。
- 頻繁に、または他者に不快感を与えるほど繰り返される場合、特に新しく始まったり悪化している場合は、ドッグトレーナーや行動診療の専門獣医に相談する価値がある。
よくある質問
メス犬もマウンティングしますか?
はい、メス犬も普通にマウンティングをする。性別に関係なく興奮・遊び・ストレスが主な原因であることが多い。
人の脚にマウンティングしてきたらどうすればいいですか?
他のマウンティングと同じように落ち着いて中断し、別の行動に関心を向け直そう。怒ったり強く押しのけたりして大きく反応すると、かえって関心を引く行動として強化されることがある。
ここで一番大切なのは、マウンティングを反抗や性的な問題として叱るのではなく、興奮のサインとして落ち着いて中断し、知っているコマンドで関心を向け直すことだ。マウンティングが新しく始まった、頻度が多い、他の行動の変化を伴う場合は、動物病院を受診しよう——刺激やまれに泌尿器の問題、痛みがこの行動を引き起こしていることもある。
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