なぜ愛犬・愛猫の毛玉を放置すると皮膚炎につながるのか
『次のトリミングでまとめて対処すればいい』と毛玉を後回しにしていませんか。毛玉は皮膚を引っ張り続けて傷つけ、細菌感染から皮膚炎につながることがあります。日本のトリミングサロン事情もふまえながら、正しい予防法と対処法を詳しく解説していきます。

ブラッシング中に見つけた小さな毛玉を、『今度のトリミングでまとめて取ってもらおう』とそのままにしていませんか。実はその毛玉、皮膚のすぐ下で静かにダメージを与え続けているかもしれません。

飼い主が誤解しがちなこと
毛玉を見つけても『次のトリミングでまとめて対処すればいい』と、見た目の乱れ程度に考えてしまう飼い主が多くいます。表面に見えているだけなので、家庭用のハサミでその場でカットしてしまう飼い主も少なくありません — 毛先を整える延長線上の感覚で行ってしまうのです。
なぜ毛玉が皮膚炎につながるのか
毛玉は皮膚に密着した状態で毛の根元を引っ張り続けるため、毛が伸びるにつれて巻き込まれた皮膚がはがれたり裂けたりすることがあります。傷口から細菌が入り込み、ただれや皮膚炎につながることがあります。また毛玉は皮膚のすぐそばでフェルト状に固まっていることが多く、どこまでが毛でどこからが皮膚なのか外から見分けるのが難しいという特徴があります。家庭用のハサミで安易に切ろうとすると、皮膚まで切ってしまう事故につながりやすいのですが、これは飼い主の不注意というより、毛玉の構造自体が境目を隠してしまうことが原因です。日本のトリミングサロンでは毛玉の状態に応じて別料金が設定されていることが一般的で(小型犬で数百円、大型犬や重度の毛玉では数千円程度)、それだけ毛玉処理には手間と時間がかかります。重度の場合はバリカンでの丸刈りが必要になることもあり、毛質が変わったり毛が生えるまで時間がかかったりするリスクも伴います。
本当に必要な毛玉対策
- 予防が最優先: 被毛の種類に合ったスリッカーブラシと、皮膚に届く金属コームでのブラッシングを、長毛種・巻き毛種は週2〜3回、短毛種は週1回を目安に行う。
- 小さな毛玉は慎重にほぐす: 小さくゆるい毛玉であれば、毛玉ほぐしスプレーやデマットコームで根元からほぐせることもある。ただし皮膚に近い密集した毛玉や広範囲の毛玉は自宅で無理せず、トリミングサロンや動物病院に相談する。
- 猫は毛づくろいの変化にも注目: 毛玉が急に増えた、あるいは特定の部位(背中・腰まわりなど)の毛づくろいが明らかに減ったように見える場合は、関節の痛みや体調不良でセルフグルーミングができなくなっているサインである可能性がある。単なる毛の手入れ不足として片付けず、動物病院に相談する材料にする。
よくある質問
毛玉ができやすい犬種・猫種はありますか?
プードルなどの巻き毛種や、ペルシャなどの長毛種は特に毛玉ができやすい傾向があります。こうした被毛の子は、ブラッシングの頻度をやや多めに設定することをおすすめします。
お風呂に入れる前に毛玉は取った方がいいですか?
はい。濡れた状態で毛玉があると、乾かす過程でさらに硬く締まってしまうことがあります。入浴前にできる範囲でほぐしておくことが望ましいです。
この記事は特定の犬・猫の状態を診断するものではありません。毛玉を取り除いた後に赤みやにおい、皮膚のただれが見つかった場合、あるいはブラッシングをしているのに毛玉がすぐにできる場合(猫では毛づくろいが減っているサインかもしれません)は、日常のお手入れの範囲を超えている可能性があるため、動物病院に相談してください。
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