パッケージの給餌量目安が愛犬の体重増加の原因かもしれない
フードのパッケージに書かれた体重別の給餌量どおりに毎日きっちり与えているのに愛犬が太っていくなら、その目安自体が去勢・避妊の有無や実際の活動量、おやつの分を考慮していない可能性があります。パッケージ表示の落とし穴と実際の対策を詳しくまとめました。

フードのパッケージに書かれた体重別の給餌量目安どおりに、1日2回きっちり計量して与えているのに、体重計の数字が少しずつ増えていく——そんな経験はないだろうか。給餌量目安は体重の欄のすぐ横に印刷されているため、まるで愛犬専用の処方箋のように感じてしまうが、実際にはメーカーが想定する『標準的な体格の犬』を基準にしたおおまかな出発点にすぎない。
誤解:パッケージの給餌量目安は愛犬専用の処方箋だという思い込み
体重の欄に合わせて量を決めるという行動自体は理にかなっているように見える。しかしその目安を作るときに想定される『基準となる犬』は、避妊去勢をしておらず活動量も多い成犬であることが多い。さらにパッケージの体重別欄は『現在の体重』ではなく『理想体重(適正体重)』に対応したものであり、実際にお皿の前にいる愛犬の条件とは違っている可能性が高い。

実際になぜ問題なのか:算出基準そのものが違う
給餌量目安は通常、安静時エネルギー要求量(RER、体重(kg)の0.75乗×70kcalという式が一般的)に活動係数を掛けて算出される。避妊去勢済の成犬の係数は1.6、避妊去勢なしの成犬は1.8とされており、パッケージの目安は未去勢・未避妊で活動量の多い犬を基準にしていることが多い。
加えて、パッケージに書かれた体重別の給餌量は、現在の体重ではなくその犬にとっての理想体重(適正体重)に対応している。つまり、すでに太り始めている犬に現在の体重の欄をそのまま当てはめると、知らないうちにカロリーオーバーになってしまう。室内で過ごす時間が長く散歩も短めの犬は、目安が想定する活動量に届かないことも珍しくない。
給餌量目安はさらにフード本体だけを計算に入れている。おやつ、しつけ用のご褒美、人間の食べ物のかけらは最初から含まれておらず、目分量で山盛りにすくった1杯は、すり切り1杯よりもかなり多い量になる——『だいたいこのくらい』という感覚での給餌がうまくいかない理由の一つだ。
実際の解決策:数字よりボディコンディションとスケールを頼りにする
- パッケージの数字よりボディコンディションを実際のフィードバックとして使う——肋骨に軽く触れて確認できるか、上から見たときにウエストのくびれがあるかを定期的にチェックする。
- 目分量ではなくキッチンスケールでフードの重さを量る——同じ『1杯』でもすくい方次第で実際の量は大きく変わる。
- おやつも1日の総カロリーに含めて計算する。
- 避妊去勢の直後や活動量が大きく減ったタイミングで給餌量を見直す。
よくある質問
パッケージどおりにスケールで正確に量って与えているのに太ります。なぜですか?
目安自体が標準的な犬、しかも理想体重を基準に作られているため、正確に量っても愛犬にとっては多すぎる場合がある。ボディコンディションを見ながら少しずつ減らしていくのが安全だ。
おやつはどのくらい減らせばいいですか?
決まった割合はないが、おやつのカロリーを含めた1日の総摂取量がパッケージの目安を超えないように調整するのが基本的な考え方だ。
ここまで見てきたように、パッケージの給餌量目安は標準的な犬のための出発点であり愛犬専用の処方箋ではないこと、避妊去勢の有無や実際の活動量、おやつの分は目安に反映されていないこと、目分量のすくい方で実際の量が変わってしまうことを踏まえておきたい。最も大切なのは、パッケージの数字を鵜呑みにせず、ボディコンディションとスケールで実際の量を確認する習慣だ。目安どおりに与えているのに体重が増え続ける場合は、自己判断で減らすより、かかりつけの動物病院でより正確なカロリー目標を計算してもらおう。
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